6月17日(金)、加藤会長ご来社
富士フイルムメディカル(株)の加藤会長、富士フイルム(株)の田中医療政策グループ長が弊社を訪れました。
加藤会長は富士フイルムメディカルの会長ですが、日本画像医療システム工業会(JIRA)の会長もされており、今回はJIRAの会長としての立場からのご訪問でした。
東日本大震災により、東北の医療は大きなダメージを受けましたが、初期の混乱は少しずつ収束し、日常の臨床を取り戻しつつあるとのことです。しかし、多くの臨床医がちりぢりとなり、医療現場の人材不足は深刻さを増しているとのこと。そのような状況下で、遠隔医療の重要性が改めて認識されています。
政府も「医療情報化に関するタスクフォース報告書」の中で、シームレスな地域連携医療の実現の手段として、遠隔医療の推進を挙げています。東北の医療を再建する仕組みのみならず、今後の日本の医療の方向性として、政府も遠隔医療に大きな期待をしています。
そんな中で、実際には遠隔医療・遠隔画像診断を事業化する動きはあまり活発でない。インフラ、読影システムなど遠隔読影環境は整っているが、起業化の動きが活発でないその理由は何か。
逆に、どうして、弊社は起業化から短期間で大きく成長できたのか。熊本大学や富士フイルムメディカルとの連携がどのように行われたのか。今後の遠隔医療の推進にあたり、一つのモデルケースとして、参考にできないか。その当たりがJIRAの会長が、わざわざ熊本の小さな会社をご訪問いただいた理由でした。
加藤会長とじっくり対談して、私は非常な興奮を覚えました。JIRAの会長であれば行政とのつながりも強く、政府への要望も提出する、制度上の問題点などあれば政府に働きかけていくとのこと。
実際の創業から現状に至る経緯での苦労、問題点についてもいろいろお話ししました。また、東北医療の復興についても協力して欲しいとのことでしたが、むしろ、こちらから何かお手伝いをさせて欲しいとお願いしました。
今、日本の医療は転換期に来ていると感じます。従来型の医療制度はもはや限界に来ている。好むと好まざると、IT化による医療ネットワークが大きな役割を果たすトレンドは更に加速していく。
しかし、そこには利益のみを追求するものが医療の質の部分に深く関わることだけは避けたい。
あくまで地域医療を守るしくみとして遠隔医療が成長していくことを考えなければならない。そのためには、やはり地域の大学と上手に連携した仕組みを構築し、地域に根ざした遠隔医療を地域から起こしていかなければならないと強く感じています。